桜の香りの入浴剤やお香、お酒など…色々ありますが、生の桜の花からは、あまりあの独特な上品な香りを感じることはありませんよね。それは花や葉の中では糖と結合した「配糖体」という状態で存在するためなのですが、塩漬けすることにより、糖が分離して、芳香属化合物のクマリン(C9H6O2)と呼ばれる精油成分が生成されます。
生の葉ではあまり匂わないのですが、塩漬けされることで香りが表われます。つまり、塩の力で、あの桜餅の香り…春の香りが引き出されるのです。
桜の香りは、クマリンと、バニラなどに含まれている洋菓子のような香りベンズアルデヒド、バラの主成分β−フェニルエチルアルコール、優しく甘い香りアニスアルデヒドなどの香りが絶妙に混ざり合ってできた、ほんのり甘くやさしい香りです。
さくら餅などの和菓子や料理などに使われる桜の葉や、市販の桜の葉の塩漬けは、ほとんどが「大島桜」 の若葉です。「大島桜」は伊豆半島で作られ、桜の葉を採るだけのために栽培される桜で、葉が柔らかく産毛が少なく食べやすいのが特徴です。「大島桜」 の葉は他の葉に比べてクマリンが多いのですが、クマリンには抗菌性があるので、さくら餅の保存に役立ちます。
市販されている葉の塩漬けを使う場合は、無添加のものを選びましょう。
簡単に作ますし、冷凍保存できるので、たくさん作って冷凍しておけば必要な時に使えて便利です。
桜の葉の塩漬け
材料
桜の葉 好みの分量
塩(まぶし用) 葉の分量による
塩水 50ccの湯に10gの塩を溶かす
作り方
1.桜の葉をきれいに洗い、熱湯をかけます。
この時、とってもいい香りがします♪
2.水気をきり、すぐに氷水につけて色止めをします。
3.水気をきりペーパータオルなどに広げて水気をとります。
4.容器に塩を敷き、葉と茎が重ならないように一枚ずつ並べ、塩を振り、その上に桜の葉を並べ、塩を振る。この順序で交互に重ねていき最後に塩をかぶせて、塩水を注ぎます。
5.ラップをかけ重石し、冷暗所または冷蔵庫で保存します。2〜3日したら、重石を軽くして、また2〜3日おき、ラップに数枚ずつ包み冷蔵庫(又は冷凍庫)で保存します。
※葉はあまり大きくなると硬くなるので、柔らかいものを用いましょう
桜餅やお料理に…と色々使えますが、塩抜きして乾燥させて細かくしてハーブティにしたり、パウダー状にしてお菓子の材料として用いたりしても香りが楽しめますね。